帰省ブルー (ゆううつ)
30年も前鹿児島への帰省では、まず私の実家に寄って1泊しその後カミさんの実家に寄る、という順番だった。家どうしは車で30分、孫の顔を1年ぶりに見たい親が待っている。古き薩摩の女性であるカミさんは嫁を意識した。いまにして思うが義理の実家と実の実家とはくつろぎの気分はまるで違ったのではないか。それはお互い様である。子供のいない妻にとって夫の実家と親戚との歓談はしばしば苦痛である。「お子さんはまだですか」という視線に刺され、子供がいればいたで「孫をしっかり育ててくれてありがとう」と義母にほめられる。
(お母さん、私は自分の子供を育てているのであってあなたの孫を育てているのではありません) 昔は家族や地域の絆が強くてよかったという懐旧の情もあるが、こんな骨肉のしがらみがヨメさんを帰省ブルーにしていたのも確かである。へんな気をつかわない核家族はそれなりに女性を解放した。そして就職や結婚や出産、育児など「幸せのカタチ」を想定してそのモノサシを他にあてはめるのも傲慢である。それらを希望してもかなえられない人は多いし、何を幸せとし安息を感じるかはおかすべからざるそれぞれの個人と夫婦だけの区域である。











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