敬意と拝察
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
茨木のり子さんの詩「わたしが一番きれいだったとき」の一部である。戦争でたくさんの若い男たちが死に、結ばれるはずだった女たちは60数年を一人生きて年老いた。たくましく前向きにと言いたいが、他に語ってもどうしようもない悲しみや寂しさをうちにひめたまま、が正確だろう。母の弟には婚約者がいた(祝言のあと出征?)。叔父は中国戦線から帰らなかった。茨木さんは結婚されたが、意にそまぬ結婚も多かったのではないか。せめては女たちの生涯に敬意と拝察の気持ちをもちたいと思う。
茨木のり子さんの詩「椅りかからず」は自立宣言、「自分の感受性くらい」は自己確認である。私は「映画や本について他からの推薦を受けず他へも推薦しない。身のまわりにいくらでもころがっている感動ぐらい自分で探せ。」が持論だが、茨木さんの思想詩の感化である。但し紹介いただくのは参考になる。
備忘録:6月19日(木)横浜の女性からメルマガの配信停止について電話があった。6月20日(金)次男が帰宅「寮を出て会社の近くに一人で住みたい。」と言う。こういう場合、カミさんと私の反応は完全に同期する。翌日藤沢まで車で送った。NHK土曜ドラマ「監査法人」の録画2回分を観た。厳格監査の若い公認会計士男女二人と自己保身上層部の軋轢、巨悪の黒幕が銀行、やや大げさだがどこの組織にもありそうな話である。
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コメント
「映画や本について他からの推薦を受けず他へも推薦しない。…」のフレーズはちょっと大げさ、誇張表現、反発もあるだろうな、と思いながら書きました。コメントありがとうございます。夏目漱石の高弟、中勘助の全集は2回買いました。心が荒れた、感度がにぶくなったときに読みかえす「生涯の書」です。高校2年のとき大学の先生に紹介されたのが中勘助です。存在すら知りませんでした。感動の連鎖は無意識に沈殿しているのでしょう。私はむしろ「この方はこんな本に(映画に)感動するのか」という結びつき、そこから「その方の感性のありか」を知ること、人間のほうに関心があります。
投稿 南の国から | 2008年6月25日 (水) 00時18分
朝鮮半島南北の分断、民族の悲劇は日本の植民地統治が原因です。韓国語を学ぶことは、かの国に敬意を表することでもあります。いまメジャーな外国語は他を侵略した歴史をもちます。韓国語がマイナーなのは他国に攻め入らなかったからです。私は中国語、英語づけでまだハングルまで手がまわりません。
投稿 隣の国のほこり | 2008年6月25日 (水) 00時03分
お嬢さんを含めてご家族おそろいの外食ワイン、おいしかったでしょうねえ。普通であって普通でない、貴重な時間ではないでしょうか。我が家はある時期、家族そろっての食事が失われました。
長男は大病のあと長いリハビリ、養生中です。それゆえ親は「はらはら、どきどき」みまもっています。
投稿 老の坂 | 2008年6月24日 (火) 23時53分
「映画や本について他からの推薦を受け付けず…」とおっしゃる姿勢には「えっ、ちょっと、その持論。。。」と不自然さを感じます。 一個人が目にし発見できる「世の中のいいもの」には限度があると思います。周りの人や様々なメデイアによる推薦紹介がなければ見逃してしまう多くの映画や本、展覧会、音楽会etc.があります。きれいな花を見つけたら周りの人に教えたいのが、普通の人の自然な姿だと思います。自分の感性を研ぎ澄まし、目を大きく開けば感動はどこにでも見つけられるというご姿勢でしょうが。。 私は見つけた感動を分かち合いたい。だからいつも声を大きく「attention!」と叫び続けています。
投稿 北の国から | 2008年6月24日 (火) 20時57分
(20年ほど前)
当時、韓国語はマイナーな外国語でした。
かじり始めた者が茨木のり子さんの「ハングルへの旅」を見つけました。
すっかり内容は忘れましたが、新鮮な刺激を受けたような記憶があります。
投稿 隣の国のことば | 2008年6月23日 (月) 15時48分
お二人のご子息は独立されてるんですね。
我が家は娘が先月から同居となりました。
妻は「10数年ぶりに家族が揃ったね」と、外食先のレストランの
テーブルで、呑めないワインを口にしました。嬉しかったんですね。
短い時間となりそうですが家族3人の時を大切に過ごしたいものです。
ご子息の自立には、頼もしさを感じます。親を横目で見ながらも、
自分の道を歩み始めていますね。
投稿 宮の坂 | 2008年6月23日 (月) 10時35分