道案内
一人娘をもつ親から「あーもしてやりたい」「こーもしてやりたい」という進路メニューいっぱいの話を聞くと「娘さん 親の期待が重くないかなあ?」と気をまわしてしまう。一人息子より一人娘でよく見聞きするのは娘の方がまだ外圧に受動的だからであ
ろう。親は子供の出生に責任感がつきまとう。逃れられない煩悩である。「なにか困ってることはないか?」とつい車間距離を詰めたがる。おとしあな、子のことをあれこれ心配しているようで実は「親の自分」を心配してい る。
子に先回りして進学就職の道案内。「どこそこ大学の○△学部にしたら?」「凸凹社は安定してるんじゃない?」など。親の失敗をくり返させたくない、親の宿願を子に果たしてほしい。ここでも実は「親の自分」がかわいい。総合力のある親ほど「次の信号で右に行け」「目的地まであと何キロ」ときめ細かな指示を出す。親のカーナビのお陰で初めての道も迷わない。小さいな失敗をしなかった子はより大きな失敗や挫折をしたときに自力で立ち上がれない。
わが家の長男や次男夫婦が直面している苦しみや悩みは親が経験しなかったものだ。残念ながらカーナビはない。よって近道やうまい渋滞脱出法を教授できない。考えてみれば私が格闘したいくつかの困難も親に相談しなかったし自力で乗り越えてきた。回り道の過程で友ができ心のひだもできた。花をみつけた。親の知識がせまかったのがかえって幸いしたと思う。親よりまわりの助けが大きかったかもしれない。
別居している子供なら親が心配するほどに親のことをいつも思っていないとわりきった方がよさそうだ。目の前のことで忙しくしばしば親の存在を忘れるほど。貴重な復元力、サバイバル力をつけてくれる迷走と蛇行。ほぞをかむくやしさ。体験する権利を子から奪ってはならないと思う。極端な話、親が手を差しのべるのは子がヘルプを求めてきたときだけでいい。
子がびっくりするのは突然の親の入院、不調の知らせ。「いつまでも元気でいると思うなよ」の啓示である。生き物の定め、とつぜんであることもやむをえない。
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コメント
煩悩は愛に似ていて愛にあらずとらわれの心なり
投稿: 獅子座の男 | 2009年2月 2日 (月) 10時50分
本当におっしゃる通りです。黙って見守ることの難しさを日々実感しております。
投稿: 天秤座の女 | 2009年1月31日 (土) 17時55分